カウチサーフィンの話をすると、「知らない人とホームステイして、危ないんじゃないの?」とよく言われます。
この意見は当然で、一定の危険性があるのは間違いありません。
何しろ、初対面の人の家に泊めてもらうSNSです。
お互いがどのような人物なのか事前情報に限りがあり、危険人物とマッチングしてしまうリスクは存在します。
ユーザーの多くがフレンドリーで良い人々なのは間違いありません。
ですが、残念ながら過去には事件化したケースもあります。
もし海外でトラブルに巻き込まれると、言葉の壁はもちろん、警察がまともに機能していないことも少なくありません。
解決が難しく、泣き寝入りせざるを得ないケースもあります。
カウチサーフィンを安全に使うためにはどうすればいいのか?
私の経験と、集めた情報を基に解説します。
事件化したケース
カウチサーフィンはホスト(宿泊させてくれる人)の家に無料で泊めてもらえるサービス。
これは言い換えれば、悪意のあるホストにとっても有利なホームへ足を踏み入れることでもあります。
性犯罪は特に被害者が泣き寝入りをしやすいと言われています。
イタリアの事件(2013年)
警官のイタリア人が、2013年にCouchsurfingを通じて若い女性旅行者を自宅に招き、次々に性的暴行していた事件です。
犯人は睡眠薬入りの飲料を飲ませて意識を失わせ、犯行に及んでいました。
警官の立場を利用し、悪いリファレンスを付けたゲストに「渡航禁止リストに載せる」と脅迫していた、非常に悪質なケースです。
被害を訴えた女性たちは世界中に散らばっており、罪の申し立てはなかなか成立しませんでしたが、Facebookグループで連絡を取り合い、結果的には15人からの申し立てで懲役9年8か月の実刑判決が下されました。
ただし彼が宿泊させた女性は230人とされ、事件化していないケースがどれだけあったかは未知数です。
英語ですが、事件から被害者と弁護士たちが犯人を裁くまでの詳細が記事化されています。
また、被害者の女性たちの証言を基にドキュメンタリーも制作されています。
安全なホストを見つけるコツ4つ
ここからは、私が使用する上で気を付けていること、安全なホストを見つけるコツを紹介します。
リファレンスの多いホストを見つける
リファレンスとは、実際にその人と会ったり泊めてもらったりした相手が書くクチコミ、評価です。

リファレンスの無いは、できるだけ避けましょう。
そして、リファレンスの多いホストをできるだけ見つけましょう(場所にもよりますが、10以上が目安)。
カウチサーフィンは誰でも登録できるので、怪しい人物が存在することは前章で説明した通りです。
ただし、そうした悪用をするホストは、良いリファレンスを集めにくいものです。
何十人もホストをして、良いリファレンスが集まっているホストは、比較的信頼できると言えるでしょう。
選べるのであれば、わざわざリスクの高いホストを選ぶ必要はありません。
リファレンスが多いホストにできるだけリクエストしてみましょう。
※ただし、「リファレンスが多い=絶対安全」ではないことに注意してください。
異性の家へ宿泊を避ける
特に女性の場合、男性の家への宿泊は避けた方が無難です。
一人暮らしの男性はもちろん、カップルを詐称しているケースもあります。
リファレンスなどをよく読み、異性のホストはできるだけ避けるよう気を付けましょう。
私は男性ですが、女性一人のホスト、ゲストとは宿泊しないようにしています。
なお、カウチサーフィンは宿泊を伴わないMeet upという使い方もあります。
これは外で会って話したり、一緒に出掛けたりするだけで宿泊は伴わないので、交流はしたいけど宿泊は不安がある、という場合はこちらをリクエストしてみましょう。
Meet upは普通の宿泊リクエストと同じメッセージフォームから、「宿泊はしないけど会って話したり出かけたりしたい」等と書けばOKです。
ただしこの場合、泊るところは自力で確保する必要があります。
家族(子供のいる家庭)で検索をかける
私もよく使うのが、子供連れのホストを探すことです。
カウチサーフィンでは、子供の教育のためにゲストと交流したいという人もたくさんいます。
絶対ではありませんが、家族がいて子供もいれば、危険人物である可能性は独身よりも低いです。
検索でFamilyを選択できるので、子ども有の環境が気にならないのであれば、家族連れのホストを探してみましょう。


事前にしっかりやり取りをする
リクエストをAcceptされた後は、そのままカウチサーフィンのメッセージか、Whatsapp等で具体的なやり取りがはじまります。
この時、相手とのやり取りに違和感が生じることがあります。
・返信がかみ合わない
・プロフィールの情報と違う
・その他、常識の違いを感じる
こうした時は、一旦立ち止まって冷静に考えてみてください。
そして違和感がぬぐえないなら、キャンセルしましょう。
理由は可能であれば何でもいいので説明した方が良いと思います。
罪悪感もあるかもしれませんが、自分の安全を第一に優先させましょう。
よさそうなホストを見つけたら…相手のプロフィールとリファレンスを読むときのポイント4つ
プロフィールが短すぎないか
経験上、しっかりとプロフィールを書いている人の方が、会った時もまともな人の確率が高いです。
プロフィールの短い人は、軽い気持ちで始めただけの人も多いのでしょう。
そのこと自体がそんなに悪いわけではありませんが、しっかりやっている人を見つけたいのであれば、プロフィールをキチンと書いてる人を探すのがベターです。
しっかり顔がわかる写真があるか
海外では、SNSに自分の顔を載せることに日本ほど抵抗がありません。
そのため、顔を見せて当たり前という感覚があります。
プライベートな理由で隠す人もいるかもしれませんが、隠してる人は良くない理由がある可能性を疑った方が良いでしょう。
女性のみの受け入れにしていないか
プロフィールのHOMEタブでは、ホストが宿泊させたい性別を指定することができます。
これは女性のホストが女性のみの宿泊を指定しているケースがほとんどですが、男性のホストが女性のみの宿泊を指定していることもあります。
私は男性ですが、こうした人物は危険な香りがするので、この時点で対象外にしています(リクエスト自体は送れる)。
男女の関係を求めている人同士であればアリなのかもしれませんが、どんな危険が潜んでいるかもわからないので、個人的には避けることをおすすめします。

リファレンス
リファレンスはホストとゲストが分かれた後に残しあうレビュー(感想)です。
ただし先にも述べた通り、リファレンスはお互い気を使って、大抵良いことしか書いていません。
逆に言うと、ここでネガティブなことを多く書かれていると、よっぽど問題がある可能性が高いです。
隅から隅まで全てを読む必要はありませんが、いくつかはチェックしてみましょう。
・ネガティブなリファレンスを残されていないか
・リファレンスが社交辞令っぽいものばかりではないか
・女性のリファレンスはあるか
・女性ばかり泊めていないか
‐具体的によいフィードバックが書かれているか
‐よく読んだら不満が書かれていないか
トラブルに巻き込まれる前の備え2つ
緊急連絡先を調べておく
万が一トラブルに巻き込まれた場合、すぐに身の安全を確保できるよう緊急連絡先を調べておきましょう。
具体的には、日本大使館の電話番号や住所も控えておくとよいです。
現地の警察はどこまで頼りになるかは国によっても状況によっても違いますが、犯罪の場合は躊躇せず連絡したほうが良いです。
連絡先自体を紛失するケースもあるので、できるだけ肌身離さないようにしておきましょう。
近くに泊まれるホテルがあるか調べておく
いざホストの家に行ってみて、泊まるのをやめたくなったという人も存在します。
具体的には、ホストが一緒に寝ようとして来たり、体を触ってきたり…。
そうした懸念がある場合、泊まれそうなホテルが周囲にあるか、事前に調べておいた方が安心です。
まとめ
この記事では、大まかに下記の3つを説明しました。
・カウチサーフィンのトラブル事例
・良いホストの見つけ方
・トラブルに巻き込まれた際の備え
この記事ではカウチサーフィンの危険さにフォーカスしてきたので、読者の方を不安を与えたかもしれません。
ただ先に述べた通り、多くのユーザーは善意や交流と目的としており、普通の旅とは違った体験ができるのは間違いありません。
私個人では、ゲストとして10回以上使ってきましたが、ホントに嫌な経験はゼロです。
危険やリスクが無いか十分慎重に吟味したうえで、カウチサーフィンをうまく旅に取り入れてみてください。
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